パタゴニアのブラックホールパック32Lをレビュー!大容量なのに軽くて頑丈な頼れるバックパック
リュックを選ぶ際に重視するのは、どの部分でしょうか?
価格、デザイン、容量、重量、色、素材、質感、背負い心地、使いやすさなど、人によってその基準はさまざまです。
今回ご紹介する「パタゴニアのブラックホール・パック32L」は、耐久性の高い素材を採用しながらも760gという圧倒的な軽さを実現し、32Lの大容量に加え、防水性も兼ね備えており、日常使いからアウトドア、旅行シーンまで幅広く活躍してくれます。
軽量で大容量のリュックをお探しの場合は、非常に有力な候補の1つとなるはずです。
この記事では色んな部分を詳しくレビューしてるから、よかったら最後までチェックしてみてね!
パタゴニアのブラックホールパック32Lの概要
製品名 | ブラックホール・パック 32L |
製品番号 | 49302 |
カラー | ブラック |
大きさ | 高さ52cm, 横28cm, 奥行21cm |
重さ | 760g |
容量 | 32L |
原産国 | ベトナム |
パタゴニアのブラックホールパック32Lをレビュー
従来のブラックホールシリーズといえば、テカテカしてスポーツ色が強い印象でした。
今回紹介する2024年秋バージョンは、光沢がなくなり落ち着いて洗練されています。特に「ブラック」はスポーツやアウトドアだけでなく、ビジネスシーンでも違和感なく使えそうです。
外観
外観は全体的にブラックで統一されていて、フロントにpatagoniaのロゴがプリントされています。グレーなので主張控えめで落ち着いた雰囲気です。
生地はパタゴニア独自のブラックホール素材。頑丈なリサイクル・ポリエステルのリップストップにサーモプラスティック・ポリウレタンフィルムをラミネートしたものになっています。やや硬めのバリバリとした感じで、X-Pacに少し似てるかも。手触りはしっとりしてます。
様々な角度から全体を見てみましょう。
落ち着いた雰囲気でカッコいいね!
底面はラミネートなしのリップストップ生地。摩擦にも強そうです。
奥行きは厚めで、荷物を詰め込んだ場合、500mlペットボトルと同じくらい(約21cm)になります。32Lだけあって結構ぶあついです。
全体の構成
ブラックホールパック32Lの構成は以下の通り。おおまかに5つの収納スペースから構成されています。
これから各部位を詳しく見ていくよ!
トップポケット
まずはトップポケットから見ていきましょう。リュック上部にあり、背面側に弧を描くようにジッパーが付いています。ジッパープルは2つ付いているので開け閉めもしやすいです。
ジッパーを開くと蓋の部分はペリッと折り曲げることができます。見通しが良く出し入れもしやすいです。
上部から見るとこんな感じで、サブポケットとしてはかなり広い空間になっています。
内部の生地は薄手のナイロンになってます。
キーチェーンが付いているので、鍵や貴重品などを引っ掛けておくことができます。
容量としては5〜6Lはありそうです。試しにパタゴニアのブラックホールキューブの3Lと6Lを入れてみます。
3Lを入れてみると多少の余裕があり、追加で荷物を入れることもできます。
6Lはギリギリ入る感じです。
かさばる中綿入りジャケット(ナノエア・フーディ)も折りたたんで収納できます。
季節の変わり目やアウトドアシーンでは上着を収納する機会も多いと思うので、アクセスしやすいトップポケットに詰め込めるのは結構便利です。
普段持ち歩きたい小物類を入れてみました。
実際に入れてるものはこちら。スマホや財布、ハンカチに加えてポーチや本など、これだけ入れてもまだ余裕があるのがすごい。
さらに、追加で水筒や折り畳み傘を入れても余裕です。
アクセスしやすくて大容量だから頼りになるね!
フロントポケット
次はフロントポケットを見ていきます。このポケットは縦長で、縦26cm、横幅20cmほどのスペースになっています。
マチはないのですが、広い空間になっているので厚めの物も入ります。
※あまり厚すぎるとメイン収納を圧迫してしまいます。どれくらいのものが入るかは、メイン収納とのバランスになります。
例えば、大きめの書籍(18.5cm ×23.5cm)がすっぽりと収納できたり、
Kindle Scribeや11インチまでのタブレットなども大丈夫です。
12.9インチのタブレットは入口が狭いため入りませんでした。
A5サイズくらいのノート類を3冊同時に入れたり。※メイン収納の荷物が少ない場合にしか入りません。
背負った状態からのアクセスしやすさは、このポケットが最強です。ショルダーストラップを左側だけ外して、リュックを前に持ってきてアクセスできるからです。財布やスマホなど、頻繁に出し入れする物はこちらに入れた方が使いやすいかも。
ブラックホールキューブ3Lも入るから、必要な小物類をポーチにまとめておいて、すぐ取り出せるようにしておくのも手だね!
また、フロント面には無数のループ(デイジーチェーン)が付いており、鍵やカラビナを取り付けたり、紐を用意して上着を縛りつけたりと、様々な使い方ができます。
ドリンクホルダー
左右の両サイドにはドリンクホルダーが付いてます。
このポケットはストレッチが効いたメッシュ素材になっています。
内部が透けて見えるほど薄手の生地になってます。通気性が良く、やわらかくてボトルの出し入れがしやすいです。
内部はリップストップ生地になってます。
600mlの水筒と500mlのペットボトルを入れてみました。結構余裕があるので、1Lくらいでも大丈夫そうです。
横幅が広めなので、500mlクラスの水筒を2本同時に差し込むことも可能です。
もちろん、水筒+折り畳み傘も大丈夫です。
ストレッチの効いたメッシュポケットは単純に使いやすいので、かさばりがちな荷物をちょっと入れておくのにも便利。例えば、旅行の際に身軽に歩き回るための折りたたみサブバッグを入れておいたり。
入れてるのはpatagoniaのウルトラライト・ブラックホールパック(27L)です。とても軽くてリュックとしてもトートとしても使えるので汎用性が高いです。
また、フロント面のデイジーチェーンと組み合わせて、社員証や定期券などを入れるのもおすすめです。落下の心配もなくなりますし、すぐ取り出せるので便利です。プリペイドカードなどを一緒に入れておけば支払いも楽になります。
暑い日はハンディファンを入れておいたり。
水筒だけじゃなく、アイデア次第で色んな物を収納できる便利ポケットだね!
注意点として、メイン収納に限界まで荷物を詰め込んだ場合、ドリンクホルダーも圧迫されてスペース的な余裕がなくなり少し窮屈になります。
メイン収納
トップに付いているハンドルの後部(下側)のジッパーがメイン収納になります。
このメイン収納は広い空間にメッシュポケットが付いているだけのシンプルな構成。奥行きは21cmほどあり、広々としています。
メッシュポケットはざっくりとしていてシンプルな作り。目が大きいメッシュなので、収納したものが分かりやすくて良いです。
上部もポケットの一部なので、高さがあるものも収納可能です。
物を入れてみるとこんな感じです。
実際に入れているのは電源タップとタイプCケーブル×2本、USBハブになります。大きめのポケットなので、充電器やマウスなどのPC周辺機器を必要に応じて収納可能です。
大空間の部分には2Lペットボトル5本+500mlペットボトル1本がすっぽりと収まってしまいます。
すごい収納力!
旅行の際にはパタゴニアのブラックホールキューブ14Lが丁度よく収まってくれます。
さらにその上に6Lのブラックホールキューブを重ねたり、
2Lくらいのガジェットポーチとトイレタリーポーチをセットで重ねたりできます。
メイン収納だけでも20Lはあるので、ポーチやパッキングキューブを活用しないと中身がごちゃごちゃするかもしれません。これは長所であり、短所でもあるので、使う人次第といった感じですね。
使用しているポーチ、キューブはこちら。
これだけ収納できれば旅行のお供としても心強いね!
PC収納
一番バックパネルに近い位置にノートパソコンやタブレット、書類などを収納できる専用のスペースが用意されています。大きさは縦45cm、横28cmほどで薄くて広いです。
上から見おろすとこんな感じ。マチが4cmほどあるので、PCとタブレットを同時に入れたり、厚めのファイルケースなども収納可能です。
ジッパーは逆L字型で、右サイドの下部まで伸びています。
このおかげで右横から出し入れできるので、PCや書類に素早くアクセスできます。
反対の左サイドはジッパーはありません。
15インチのMacBookを入れてみました。まだまだ余裕があるので、大抵のノートPCは問題なく収納できると思います。
12.9インチのタブレットは埋もれてしまうくらい広々としてます。
A4のコピー用紙が300枚入るファイルケースも大丈夫です。
多少のマチはあるので、15インチPC、12.9インチタブレット、薄手のファイルケースを同時に入れることも可能です。
背面には厚手のクッションが入っているので、PCを衝撃から保護してくれます。
背面ほど厚手ではありませんが、メイン収納とPC収納の間にもクッションが入ってます。
底面から少し浮いているため、PCをストンと投げ入れても地面に当たることがありません。
最奥部にはペンホルダー(?)があります。隠しポケットのような感じで、なぜここにあるのか謎ですが、一応ボールペンやApple Pencilなどを差し込めます。
アクセスしやすくて広いから、ノートPCや書類を持ち歩きたい人も安心だね!
バックパネル
次はバックパネルを見ていきます。背面に使用されている素材は他とは異なり、ブラックホール生地ではなく、ナイロン生地とクッションパッドの組み合わせで構成されています。
背面の両側には、クッション性と通気性に優れたエアメッシュ製のバックパネルが搭載されています。中心にはキャリーケース用のハンドルあります。
※キャリーケース使用時のイメージ
ショルダーストラップの表面はナイロン、裏面はクッションパッドになってます。
ショルダーストラップ裏面全体を通してパッドが入っており、バックパネルのクッションと合わせて前後から包み込んでくれるため、背負い心地がとても良いです。
ショルダーストラップにはループが付いているので、キーチェーンやカラビナ、フラッシュライトなどを装着できます。胸元にすぐ使いたいアイテムを取り付けられるので何かと便利です。
簡単に着脱可能なチェストストラップも付いています。荷物が多くなった時に固定することで負荷を軽減してくれます。
ショルダーストラップにループが複数付いているため、取り付け位置は細かく調整可能です。
実際に取り付けるとこんな感じです。
下部には長さ調整用のアジャスターが付いてます。
しっかりした作りで、調整しやすく、ゆるみにくいです。
ハンドル
ハンドルは上部の前後に2つ付いています。
大量の荷物を詰め込んで重くなった場合でも、前後のハンドルを両手でつかんで持ち上げたりできるので、持ち運びをサポートしてくれます。
自立性
生地は頑丈ですが、薄手で芯材なども入っていないので、荷物を入れてない場合は自立させづらいです。
底面を平らに潰してあげれば空でも自立させることはできますが、不安定です。
荷物を詰め込んで土台をしっかりと作ってあげれば自立させることができます。
重量
空の状態で重さを測ってみた結果、800gでした。この測定器の精度は50g単位なので、750〜800gということになり、760gというカタログ上の重さと一致します。32Lという容量の大きさにも関わらず、この軽さは驚異的ですね。
どれくらいの荷物が入る?
一度にどれくらい入るのか試してみた結果、以下のものを全て収納することができました。
全部詰め込んだ状態がこちら。
重さは10.2kg。背負うとずっしりと重たいですが、クッションパッドのおかげで負荷が軽減されている感じがあります。
着用イメージ
175cmの人が背負った場合、以下のような感じになります。奥行きが21cmあるためやや厚手で大きいですが、ぎりぎり日常的にも使える大きさです。
気に入っているところ
大容量なのに軽い
32Lという容量の大きさにも関わらず、本体は760gと非常に軽量です。空の状態なら指先ひとつでヒョイっと持ち上げられます。
細い木の枝に引っ掛けることもできるくらい軽いです。
ぼくがリュックを使用するパターンは大きく分けて2つあります。
- 重い or かさばる大量の荷物をできるだけ楽に運びたい
- PCやカメラ、ガジェットなどの荷物をしっかりと守護りつつ持ち運びたい
この①のケースにおいて、軽くて大容量で頑丈なブラックホールパック32Lは非常に優秀です。
たとえば、
- ジムや運動用の着替えやシューズ、タオルなどを持ち運びたいとき
- スーパーの特売日に一週間分の食料をまとめ買いするとき
- 図書館で借りた本(10冊以上)を持ち運びたいとき
- 旅行に行くとき
などなど。この場合、「大量の荷物を楽に持ち運べる」ことが重要なので、できるかぎり軽くて背負ったときの負荷を軽減してくれるものが望ましいです。重い荷物を運びたいのに、リュック本体が重くては本末転倒です。
この「大量の荷物を楽に持ち運べる」という点において、ブラックホールパック32Lを超えるものはなかなか見つからないと思います。気軽に使えて、バックパネルとショルダーストラップのクッション性が高く、軽くて大容量で頑丈という点がとても気に入ってます。
圧倒的に軽い!
各ポケットが大きくて自由度が高い
これまで紹介した通り、各ポケットや収納の構成は非常にシンプルです。
- アクセス性に優れたフロント&トップポケット
- 大容量のメイン収納
- 取り出しやすいPC収納
- 使いやすいドリンクホルダー
これらのどれもが大きくて、たくさんの物をざっくりと収納できるようになっています。内部ポケットがほとんどないため、小物を整理して収納するには向きませんが、その分大きい物を収納できたり、ポーチを活用して自分なりに整理して収納できたりと、自分好みにカスタマイズすることができます。
カメラを持ち歩きたいときも、カメラ用のスリングバッグをそのまま収納することもできます。カメラ専用のリュックや、インナー専用のケースは汎用性が低くてあまり好きではないので、収納スペースが大きくて柔軟性が高い点も気に入ってます。
自由度が高いのが魅力!
気になるところ
大容量で軽くて使いやすい一方で、気になる部分が2つありました。
トップポケットに重い物を入れるとバランスが崩れる
トップポケットはアクセスしやすく容量も大きい便利なポケットです。ですが、位置的に重いものを入れると、重さを支えきれずにリュック全体のバランスが崩れる原因になってしまいます。
特に、自立させて荷物の出し入れを行いたい場合、重さで引っ張られて前方に倒れこんでしまい自立させづらくなります。
また、メイン収納に荷物が少ないときにトップポケットに荷物をたくさん入れると、重さで沈み込んでしまいます。
もともと生地が薄手なので自立性は高くありませんが、トップポケットによって全体のバランス感が崩れてしまい、さらに悪化しています。
メイン収納をある程度重めにしたり、トップポケットに重い物を入れすぎないなど、バランスを考えて収納しないと自立させづらい点が使っていて気になりました。
全体が軽いから仕方ない部分だね…
後部ハンドルが不便に感じることがある (背面にループがない)
後部のハンドルが変な位置に付いているので、フックに引っ掛けて荷物の出し入れを行う際に使いにくさを感じました。
一般的なリュックの場合、以下のように背面の上部にループやハンドルが付いています。
※マムート トランスポーター25の背面
このハンドルにより、フックに引っ掛けて荷物の出し入れが快適に行えるようになっています。
一方このブラックホールパック32Lは作りが異なります。後部のハンドルが「トップポケット」と「メイン収納」のジッパーの間に取り付けられています。バックパネルにもループは付いていません。
横から見ると位置が分かりやすいと思いますが、後部ハンドルのさらに後ろにメイン収納やPC収納のジッパーが配置されています。
これにより、フックに引っ掛けた場合にアクセスできるのは「トップポケット」だけになります。
「じゃあフロント側のハンドルに引っかければいいんじゃね?」と思うかもしれませんが、このリュックのメイン収納はガバッと開くタイプなので、フロント側のハンドルも位置が悪いです。
フロント側のハンドルに引っ掛けた場合は以下の状態になり、見通しやアクセス性が悪くなってしまいます。ガバッと開かずにゴソゴソ出し入れすれば使えなくはないものの、使い勝手が良いとはいえません。
おそらく、このリュックの中で最も高い位置にハンドルを付けることで、つかみやすくなっているのだと思います。「持ちやすさ」の視点からみると最適な位置にあり、申し分ありません。その反面、フックに引っ掛けた時の使いやすさが損なわれているのが残念でした。
背面の上部にもフック用のループが付いていれば良かったな..
どんな人におすすめ?
ブラックホールパック32Lの最大の特徴は、やはり「32Lという容量の大きさ」と「760gの軽さ」でしょう。32Lクラスの大容量サイズになると1.5〜2kgくらいの重量が多いと思うので、ここまで軽いのは珍しいと思います。
ブラックホール製品は生地が頑丈で、雨や風、傷や引っ張りなどに強いため長く付き合っていける点も魅力です。
- 普段から荷物が多くて、なるべく本体重量が軽いリュックを探している人
- 20L台のリュックで容量不足を感じてる人
- 仕事帰りにジムやスポーツなどを習慣にしていて、着替えやシューズを持ち運びたい人
- 勉強道具、運動用具、弁当など、荷物が多くなりがちな学生の人
- 旅行用の大容量で軽いリュックを探している人
「軽さ」と「容量」を重視する人には特におすすめだよ!
逆に、それなりに大きくて厚みがあるので、人の多い都心部や混雑した電車での通勤では邪魔になる可能性が高いです。スリムさやコンパクトさが必要になるシーンでの利用はおすすめできません。
まとめ
「ブラックホールパック32L」は、軽量かつ大容量で高い防水性と耐久性を誇り、都会とアウトドアの双方に馴染むデザインと機能性が魅力です。リサイクル素材で環境に配慮しつつ、どんな気象条件でも使用可能な頼れる設計。通勤・通学や旅行、キャンプや登山まであらゆる場面に対応する万能のリュックです。ぜひチェックしてみてくださいね。
今回は以上になります。この記事が商品選びの参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
ありがとー!また遊びにきてね!